梅雨の重だるさに。身近な薬膳食材で整える、やさしい養生ごはんを作りましょう。
雨の日が続く梅雨は、体が重い、食欲がわきにくい、冷たいものをとりすぎて胃腸が疲れるなど、日々の小さな不調を感じやすい季節です。そんな時期に取り入れたいのが、季節や体調に合わせて食材を選ぶ「薬膳」の考え方です。
薬膳というと特別な生薬や難しい料理を思い浮かべるかもしれませんが、実際には、クコの実、なつめ、はと麦、小豆、生姜、しそ、とうもろこしなど、スーパーや中華食材店、ネットショップで手に入りやすい食材から始めることができます。
梅雨の薬膳で大切にしたい「湿」と「脾」の考え方
中医学では、梅雨のように湿度が高い時期は、体の中にも余分な「湿」がたまりやすいと考えます。湿がたまると、体が重く感じる、むくみやすい、頭がすっきりしない、胃が重い、食欲が落ちるといった状態につながりやすいとされています。
もう一つ大切なのが「脾」という考え方です。中医学でいう脾は、単なる臓器名ではなく、食べたものを消化吸収し、体に必要なエネルギーへ変えていく働き全体を指します。梅雨はこの脾が湿気の影響を受けやすい季節とされるため、冷たいものや脂っこいものに偏りすぎず、温かく、消化にやさしい食事を意識することが養生の基本になります。
梅雨に使いやすい身近な薬膳食材
まず取り入れやすいのは、乾燥食材です。
- *クコの実**は、ほんのり甘く、スープやお茶、お粥に少量加えるだけで彩りもよくなります。杏仁豆腐にのっている赤い実としてもなじみがあり、薬膳料理ではよく使われる食材です。
- *なつめ**は、乾燥したものをお茶やスープに入れると、やさしい甘みが出ます。薬膳では、胃腸をいたわる食材として使われることが多く、梅雨のだるさを感じる時期にも取り入れやすい素材です。
- *はと麦**と**小豆**は、梅雨の「水の巡り」を意識した料理によく使われます。お粥やスープにすると、胃腸に負担をかけにくく、朝食にも向いています。
- *生姜、しそ、みょうが**などの香味野菜も便利です。湿気で食欲が落ちやすい時期に、香りで食事を軽く感じさせてくれます。
- *とうもろこし**や**冬瓜**は、梅雨から夏にかけてのスープに使いやすい食材です。重くなりすぎない味わいで、蒸し暑い日にも取り入れやすい組み合わせです。
料理1:クコの実となつめの薬膳茶
クコの実となつめを使った薬膳茶は、梅雨の養生を始める一杯として取り入れやすい料理です。ジャスミン茶にクコの実となつめを合わせると、なつめのやさしい甘みと、クコの実のほのかな酸味が加わり、食後や午後のリラックスタイムにも飲みやすくなります。
作り方の基本は、クコの実となつめを水で煮出し、そこにジャスミン茶を加えて蒸らす流れです。冷たい飲み物ばかりになりやすい梅雨時期に、温かいお茶を選ぶことで、冷房や冷たい飲食で重くなりがちな胃腸をいたわりやすくなります。
- *梅雨に向く理由**
温かいお茶として取り入れられるため、冷たい飲み物に偏りがちな時期のバランスを取りやすい一品です。クコの実となつめは少量でも香りと甘みが出るため、砂糖を多く使わなくても満足感を出しやすい点も魅力です。
料理2:はと麦と小豆の朝がゆ
梅雨の朝におすすめしたいのが、はと麦と小豆を使ったお粥です。米、はと麦、小豆をやわらかく炊き、塩で軽く味を整えるだけでも、胃腸にやさしい朝食になります。乾燥ほたてを少量加えるレシピもあり、うま味が出るので、薄味でも食べやすくなります。
はと麦や小豆は、薬膳では水の巡りを意識した料理によく使われる食材です。お粥にすることで、湿気で食欲が出にくい朝でも口にしやすくなります。
- *梅雨に向く理由**
梅雨は体が重く感じたり、むくみが気になったりしやすい季節です。はと麦と小豆を使ったお粥は、薬膳でいう「湿」を意識した食材選びになっており、さらに米を合わせることで、朝のエネルギー補給にも向いた一品になります。
料理3:手羽先となつめ、クコの実の薬膳スープ
しっかり食べたい日には、手羽先、なつめ、クコの実、乾燥しいたけ、生姜、白ねぎを煮込んだ薬膳スープがおすすめです。鶏のうま味、なつめの甘み、生姜とねぎの香りが合わさり、雨の日の夕食にも合う温かいスープになります。
手羽先を使うことでスープにコクが出ますが、味つけは塩を少量にして、素材の味を活かすと重くなりすぎません。乾燥しいたけを加えると、だしのような深みが出て、満足感も高まります。
- *梅雨に向く理由**
冷房や雨で体が冷えやすい日には、温かいスープが取り入れやすい選択肢になります。生姜やねぎの香りが食欲を助け、なつめとクコの実を加えることで、薬膳らしいやさしい甘みと彩りを出せます。
料理4:冬瓜ととうもろこしのやさしいスープ
蒸し暑い日には、冬瓜ととうもろこしを使ったスープもよく合います。冬瓜は淡白でやわらかく、とうもろこしは自然な甘みがあります。コーン缶、冬瓜、コンソメ、米のとぎ汁、生クリームを使ったレシピを参考にすると、家庭でも作りやすいスープになります。
こってりさせすぎず、温かい状態で食べると、梅雨時期の胃腸にも取り入れやすくなります。
- *梅雨に向く理由**
とうもろこしと冬瓜は、薬膳では梅雨から夏にかけての水分バランスを意識した料理に使われることが多い食材です。暑さと湿気が重なる時期に、重すぎないスープとして取り入れやすい一品です。
まずは「一品だけ足す」から始める
薬膳は、難しい理論をすべて覚えてから始めるものではありません。梅雨の時期なら、まずは次のように一品だけ足してみるのがおすすめです。
- 朝は、はと麦と小豆のお粥。
- 昼は、しそやみょうがを薬味にした軽い麺や和え物。
- 夜は、生姜をきかせた鶏肉となつめのスープ。
- 甘いものがほしい時は、クコの実となつめのお茶。
このように、いつもの食事に少しだけ季節の食材を加えるだけでも、梅雨の食養生は始められます。
注意したいこと
薬膳は、日々の食事を整えるための考え方であり、病気の治療や予防を目的とするものではありません。体調不良が長く続く場合、妊娠中の方、薬を服用中の方、食物アレルギーがある方は、自己判断で特定の食材を多くとりすぎず、必要に応じて医師や専門家に相談してください。
梅雨の養生は、特別なことをするよりも、冷たいものをとりすぎない、温かい料理を選ぶ、香りのよい食材で食欲を助ける、胃腸にやさしい食事にする、といった小さな積み重ねが大切です。身近な薬膳食材を上手に使いながら、雨の季節を軽やかに過ごしていきましょう。
FAQ
Q. クコの実やなつめは毎日食べてもよいですか?
少量を料理やお茶に加える程度なら、日常の食材として取り入れやすい素材です。ただし、体質や持病、服薬状況によって合わない場合もあるため、心配がある場合は専門家に相談してください。
Q. 梅雨は冷たい飲み物を避けた方がよいですか?
完全に避ける必要はありませんが、胃腸が重い、食欲がない、体が冷えやすいと感じる時は、温かいお茶やスープを選ぶと負担を減らしやすくなります。
Q. 子どもにも薬膳料理は使えますか?
特別な生薬を使わず、米、小豆、とうもろこし、鶏肉、生姜を少量使うような家庭料理であれば取り入れやすいです。乾燥なつめやクコの実は硬さが残ることがあるため、子どもに出す場合は細かく刻む、よく煮るなど食べやすさに注意してください。
参考にした情報・料理出典
- 気象庁「梅雨入りと梅雨明けに関する情報」
- クラシエ カンポフルライフ「梅雨の養生」
- 養命酒製造「梅雨の体調不良に!簡単薬膳レシピ」
- クラシエ カンポフルライフ「なつめ 薬膳食材図鑑」
- ティファール公式「枸杞棗ジャスミン茶」
- BUYDEEM「はとむぎと小豆の朝がゆ」
- 業務スーパー ミラクルレシピ「手羽先となつめの薬膳スープ」
- 然の膳「冬瓜のコーンスープ」

