夏の保健で大切なのは、体調を崩してから慌てるのではなく、暑さを避ける、水分をこまめにとる、食事と睡眠を整えるという基本を、毎日の暮らしに組み込むことです。

熱中症は炎天下だけでなく、室内で過ごしている時にも起こることがあります。気温だけで判断せず、湿度や日差しを含めた暑さ指数も確認しながら、無理をしない夏の過ごし方を考えてみましょう。

夏に体が重く感じやすいのはなぜ

暑い日は汗をかく量が増え、体内の水分が失われやすくなります。夜になっても室温が高い状態が続くと、睡眠のリズムが乱れたり、翌朝に疲れを感じたりすることもあります。

また、冷たい飲み物や麺類だけで食事を済ませる日が続くと、食事の種類が少なくなりやすくなります。

夏のウェルネスでは、一つの食品や健康法に頼るのではなく、水分、食事、室温、休息をまとめて整えることが基本です。

のどが渇く前に水分をとる

厚生労働省は、室内でも屋外でも、のどの渇きを感じる前から、こまめに水分を補給することを呼びかけています。

朝起きた時、外出前、帰宅後、入浴の前後、就寝前など、自分なりの水分補給のタイミングを決めておくと続けやすくなります。

水やお茶を手の届く場所に置き、外出時には飲み物を持ち歩きましょう。大量に汗をかいた時は、食事を通じた塩分補給も意識します。ただし、医師から塩分や水分の制限を受けている場合は、その指示を優先してください。

経口補水液は、日常の水分補給用飲料とは目的が異なります。普段から大量に飲むのではなく、商品表示を確認し、必要性について迷う場合は医師、管理栄養士、薬剤師などに相談しましょう。

食欲がない日も一皿の組み合わせを意識する

夏は、そうめん、冷やしうどん、パンなど、主食だけで食事を終えやすい季節です。

食事を難しく考えず、主食に主菜と副菜を一つずつ足してみましょう。

  • そうめんに卵、豆腐、トマト、きゅうりを添える
  • ごはんに焼き魚と野菜のみそ汁を合わせる
  • 冷やしうどんに鶏肉、わかめ、オクラを加える
  • ヨーグルトに果物を添えて朝食の一品にする

農林水産省の食事バランスガイドでも、主食、副菜、主菜、牛乳・乳製品、果物を組み合わせる考え方が示されています。

毎食すべてを完璧にそろえる必要はありません。昼食が麺だけだった日は、夕食で魚や豆腐、野菜料理を追加するなど、一日全体で整える視点が大切です。

エアコンを我慢せず涼しい環境をつくる

熱中症は室内でも起こります。暑い日はエアコンや扇風機を適切に使い、カーテンやすだれで日差しを遮ることも役立ちます。

運動や買い物は、可能であれば暑さが比較的穏やかな朝や夕方に行いましょう。環境省の暑さ指数が高い日は、予定の延期や運動量の調整も必要です。

夜も室温が高い場合は、無理に冷房を止めず、寝具や衣服と合わせて眠りやすい環境を整えます。

夏は食品の扱いにも注意する

気温や湿度が高い時期は、食品の保存状態にも注意が必要です。

買い物では肉、魚、冷凍食品を最後に選び、帰宅後は早めに冷蔵庫や冷凍庫へ入れます。調理前には手を洗い、肉や魚は十分に加熱しましょう。

作った料理を長時間室温に置かず、保存する場合は早めに冷まして冷蔵します。見た目やにおいだけで安全性を判断しないことも大切です。

夏の一日を整える小さなチェック

  • 朝にその日の暑さ指数を確認した
  • 手の届く場所に飲み物を用意した
  • 主食だけでなく、主菜か副菜を一品加えた
  • 暑い時間帯の外出や運動を避けた
  • 夜の室温と睡眠環境を整えた
  • 調理済み食品を室温に放置しなかった

すべてを一度に変える必要はありません。まずは水分を用意する、朝に暑さ指数を見る、夕食に一皿足すなど、続けやすいことから始めてみましょう。

FAQ

Q. 冷たい飲み物は避けた方がよいですか

完全に避ける必要はありません。飲みやすい温度で、こまめに水分をとることが大切です。冷たい飲み物でお腹が不快になる場合は、常温の水やお茶も組み合わせましょう。

Q. スポーツドリンクを毎日飲んでもよいですか

発汗量や運動量に応じて利用する飲料です。糖分や塩分を含む商品もあるため、日常の水分補給は水やお茶を基本とし、表示を確認して使い分けましょう。

Q. 夜もエアコンを使った方がよいですか

室温が高く、眠りにくい状態では無理に我慢しないことが大切です。風が直接体に当たり続けないよう調整し、寝具や衣服と合わせて快適な環境を整えましょう。

参考情報

厚生労働省「熱中症予防のための情報・資料サイト」

https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/nettyuu/nettyuu_taisaku/

環境省「熱中症予防情報サイト」

https://www.wbgt.env.go.jp/

農林水産省「食事バランスガイド」

https://www.maff.go.jp/j/balance_guide/

厚生労働省「睡眠対策」

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/suimin/index.html

厚生労働省「食中毒」

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/shokuhin/syokuchu/index.html

消費者庁「経口補水液について」

https://www.caa.go.jp/policies/policy/food_labeling/foods_for_special_dietary_uses/oral_rehydration_solution

本記事は一般的な生活情報です。体調不良が続く場合や、持病、服薬、食事・水分制限がある場合は、医療機関や専門家に相談してください。